その日のまえに 重松清


「死」をテーマにした7編からなる短編集。
しかし、最後の3編は続きもので、
大林宣彦監督が映画化したのもこの3編を軸に
繰り広げていく。


育ち盛りの2人の息子を持つ母親が
突然がんを宣告される。
イラストレーターとして活躍している父親は
“その日”を前に、昔住んでいた
新婚時代のアパートを二人で訪ねる・・・


40歳を過ぎるとこの手の話は切な過ぎる。
20代の頃より遥かに身近になりつつあるから。
最後の3編もそうだが、
途中「潮騒」という編があるが、
これには号泣させられた。
いつも地下鉄で読んでいるが、
ちょっとこれにはまいった。
周りの人に見られるのではないかと思いながら、
それでも泣いてしまう。
ネタバレするのであまり書かないでおくが、

今までこれほど「ごめんなさい」
心に突き刺すことはなかった。
今こうして書いている時点でもちょっと涙がでてしまう。
前に、「王様のブランチ」BOOKコーナーで
大絶賛されたという話を聞いたが、
大正解です。間違いないです。


あっという間に読めますが、
何度読んでも切なくなる本です。
超オススメ。




その日のまえに

その日のまえに